管制ダウンで北の空混乱

24日夜、日本の北の空を見守り、航空機を安全に導く管制機関の無線が突然ダウンした。このため札幌・新千歳空港を中心に多くの便が遅れたり、欠航に追い込まれた。

新千歳空港
飛行機とのコミュニケーションがダウン

故障したのは岩手県や秋田県の上空から北の空を管轄する、札幌航空交通管制部(札幌市東区)の無線装置だ。24日午後8時頃、パイロットとのコミュニケーション手段の無線システムが、突然ダウンした。このため、飛んでいた航空機の一部は、出発空港へ引き返したほか、北東北から北海道内の空港から出発する予定の航空機がすべて離陸できなくなった。
原因はまだ不明だが、故障したシステムは、およそ1時間半ほどで復旧した。しかし新千歳空港だけでも国内便21便が欠航、遅れは国内線、国際線合わせて12便に影響が出て、日付を跨いで午前0時過ぎに到着する便も出た。
新千歳空港・国際線ターミナル
雑学ライブラリー
増えるフライトで、新システムへ移行

LCCなどの増加で、日本の空はこれまでになく便数が増えている。現在、札幌、東京、福岡、那覇の4つの管制部がエリアに分けて日本の空を飛ぶ飛行機を導いている。日本の空港から出発、到着する便だけではなく、中国や韓国など、他の国からヨーロッパや北米などへ飛ぶ便など、日本の上空を通過する飛行機もコントロールしている。このシステムが今後10年余りで大きく変わる。札幌と那覇の管制部が無くなり、高度1万メートル以下は、東京と新しくできる神戸の管制部が担当、1万メートル以上は一手に福岡の管制部が担当することとなる。