どう実現する、儲かる新幹線

JR北海道が2016年度の線区別収支状況を発表した。2015年3月に開業した北海道新幹線は54億円の赤字となった。

100円稼ぐためにいくらかかる?

北海道新幹線の営業係数は146。100円稼ぐために146円かかってしまう。つまり走れば走るほど赤字が積み重なるのが現状だ。JR北海道は在来線もすべて赤字で、儲かっている線は一つもない。利用者の多い札幌圏はわずかながらに増収となったが、施設の老朽化対策や車両を増備したため、各線区を合わせた営業係数は昨年の105より悪化して113となってしまった。
新幹線は札幌まで開業して初めてその効果を発揮するが、札幌延伸は2031年の春、まだ14年も先だ。それまでは現在の新函館北斗までの線区で儲かる新幹線を実現させなくてはならない。青森~函館間は新幹線開業前の特急時代より利用者は増えているが、新幹線の乗車率は全クラス合わせて32%と、まだまだ空席だらけだ。
函館空港へはLCCのバニラエア(函館~成田)も入っているだけに、新幹線より安く東京~函館の旅が可能だ。まずは新幹線を利用してもらうために、JR東日本とタッグを組んで、函館のみならず札幌からも特急乗り継ぎで、思い切った低価格運賃を提供してみるのも必要ではないか。

雑学ライブラリー
唯一新幹線と在来線が共存

鉄道ファンなら知っているが、青函トンネルは新幹線の営業区間で唯一、在来線と新幹線が共存している珍しい区間だ。青函トンネルは新幹線ともども、貨物列車にとっても大事な区間だ。北海道の農産物がトンネルを通って全国の市場に運ばれている。
トンネル区間は、新幹線も時速260㌔から140㌔に落として走行する。新幹線が本来の速度を出すことが出来ると、札幌~東京も大幅に時間短縮が可能だ。しかしトンネルを通る貨物が滞ると、首都圏の台所に影響する。このため、各方面から新たな青函トンネルを掘るべきだとの声も上がっている。