東京上空ルートに大丈夫?の声

政府は、東京2020オリンピック・パラリンピックイヤーの訪日客4000万人を目指して、首都圏の空港、特に羽田空港の整備を急ぐ方針だ。これまで飛行ルートの無かった都心上空も開放して、発着回数を大幅に増やす計画だが、騒音はもちろん、飛行機からの落とし物なども心配されている。

現在の東京湾上空南側からのアプローチ

騒音で競技に影響?

現在羽田空港には4本の滑走路があり、ほぼ井桁上の配置となっている。ほぼ南北に伸びているA とC滑走路は南風、北風の時に使用されている。南風の際は、西側のA滑走路は出発機のみ、海側のC滑走路はほぼ着陸機のみとなるが、東京湾上空を滑走路に対してほぼ90度の角度で侵入し、着陸の直前で左へ旋回し滑走路に正対する方式を取っている。これが都心上空が開放されると、事前に滑走路に正対してのアプローチが出来る。更にA滑走路も着陸に使用できることになる。
深刻な声が上がったのが、飛行機からの落とし物を心配する声だ。飛行機のパーツや車輪や機体に付着していた氷の塊が落下する事故がこれまでにも起こっている。また騒音を懸念する声がオリンピック関係者から上がった。オリンピックのホッケー競技は品川区大井の大井ホッケー競技場で行われるが、飛行ルートでは大井付近は高度300メートルで通過することとなっている。このため騒音で競技に影響が出るのではと、国際ホッケー連盟などから、懸念の声が上がっている模様だ。
予定されている都心上空の飛行は南風の時の15時~19時で、実施時期はまだ決まっていない。

雑学ライブラリー
香港啓徳(カイタック)空港

啓徳空港時代の香港では毎日見られる光景だった

1998年まで香港の玄関口となっていた空港。繁華街の湾仔や尖沙咀などからも近く繁華街だらけの香港のど真ん中に飛行機で降りてゆく感覚だった。また着陸直前で右への急旋回をするスリリングな通称「香港カーブ」が有名だった。おそらく大井町など都心の飛行ルート直下では、香港で観られたような光景になるのかもしれない。