緊張しっぱなしの半島

10日、北朝鮮は朝鮮労働党創立72年を迎えた。何らかの挑発行為があるのではと世界が緊張したが、何事もないまま10日を終えた。

第3次世界大戦へ発展しかねないと、重鎮がトランプ氏へ警鐘

2人が口汚く言い合っている状態がもう何か月も続いている。2人とも国の代表者でもあり、特に1人は世界の安全保障に責任を負う重要な人物だ。それが2人で大人げないセリフ満載の罵り合いだ。非難の応酬ならまだよいが、偶発的な衝突に発展しかねない。
トランプ政権与党、共和党の重鎮コ-カー上院議員から飛び出したのが「第3次世界大戦への道を歩みかねない」との恐ろしい言葉だ。ニューヨークタイムズのインタビューに応えたものだが、トランプ大統領の威圧的な態度が不測の事態を招きかねないと警告した。

一糸乱れぬマスゲーム
踊る北朝鮮市民

北朝鮮市民はどのように考えているのか。朝鮮中央放送では、金正恩委員長を称えるコメントや「軍に入って、アメリカと闘う」との市民の勇まし気なインタビューが流れている。筆者が取材に平壌へ入ったのは20年前だが、おそらく現在と違っているのは、車が増えたことと市民の間にも携帯が普及し始めていることぐらいではないか。
祝賀行事が大好きな北朝鮮指導部は、盛んにダンスやマスゲームを利用して国民の一体感を見せつける。20年前も全く同じで、市民は日常の仕事を止めて日中からダンスの練習に駆り出されていた。遠目に彼らのうんざりした顔が見えた。アミューズメントパークでは、まるでパンフレットの写真から飛び出したような着飾った家族ばかりだったが、中に場違なみすぼらしい風体の家族がいた。ところが彼らは我々外国メディアを見るとおびえたような様子を見せ、さらに脇から出てきた背広を着た男性がそそくさと彼らを遠ざけてしまった。市民と国の体制はかつても今も遠く離れていることは間違いない。