町の本屋絶滅時代

本屋さんへ行くと軽く一時間は時間をつぶせた。それ故に、時間に余裕のある学生時代の待ち合わせ場所は必ず書店だった。ところが、大きな都市でも街中の書店が次々と姿を消している。さらに深刻なのは地方の書店で、今や本屋さんの無い町や村がどんどん増えている。

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消えてしまって良いのか町の書店

 

全国の書店の数は今年5月の数字で12526店。この10年間で4572店舗も減った。1999年まで遡ると、全国で22296の書店があったので、この19年間で消えた書店はおよそ1万店、毎年平均514の書店が店を閉めた計算だ。(日本著者販促センターのHPより)

大都市の書店も減少しているが、地方の書店事情はさらに深刻で、本屋さんがひとつも無くなった治体も少なくない。都道府県単位では、赤平(あかびら)市など58の自治体で本屋が消えた北海道を筆頭に、長野県で41、福島県で28など、書店がない自治体や行政区は全国で420にも上る。原因は活字離れもあげられるが、アマゾンなどのネット書店の拡大やITブックの浸透もありそうだ。書店はただ単にお店ではなく、文化の発信起点でもあるだけに、地方の本屋さんを残そうという動きも芽生えている。

本屋ヌルガンガ

高松市

一時、街から書店が消えた北海道、留萌市。市民が立ち上がって、大手書店、三省堂を誘致したエピソードはテレビでも取り上げられた。留萌の三省堂は、開店から6年目を迎えている。

四国高松市に先月小さな書店がオープンした。店名は“ヌルガンガ”カフェも併設して、店内の植物も売り物、さらに本屋好きな人は「毎日本屋へ通うことができます」と同じビル内の1DKの空き室紹介までしている。カメラワークショップなど、本に関わるイベントも次々と開催しているらしい。店主の意気込みを感じる、注目したい地方書店だ。

同店のHPは「ヌルガンガ 高松」で検索