徳島の山奥に外国人が押し寄せる

インバウンド、訪日外国人の間で“徳島”がブレイク中だ。四国の深い山の中には毎日多くの外国人がバスに乗ってやって来る。一体何が彼らを惹きつけるのか。

かずら橋

古民家に泊まって日本の原風景に触れる

 

観光庁が示した2017年の第一四半期(4~6月)の数字を見ると、訪問先としては大阪、東京、千葉(TDR)、京都などが上位を占めるが、前年を300%超える脅威の伸び率を示しているのが、徳島(314.3%)と熊本(301.6%)の2県だ。徳島県などによると、「ミシュラングリーンガイド四国版」が出された2014年頃から外国人の訪問者が増え続け、中でも“かずら橋”や古民家体験が人気の三好市(人口27000余り)は、ここ5年でやって来る外国人の数は4~5倍にも達している。三好市は、他の市町村が台湾や中国からの観光客誘致に力を入れる中、香港の富裕層を中心にPRを展開し、大都会の香港市民に人工のものが一切目に入らない、ありのままの自然をアピールして来た。さらに藍染体験や人形浄瑠璃などの日本文化体験も徳島人気を支えている。四国の山中で、交通機関も不便だっただけに、日本人にとっても決して人気の観光地、というより観光地とは思ってもいなかった徳島の山間が、世界で人気を博しつつある。

大歩危の山道を走るレトロバス

雑学ライブラリー

千年のかくれんぼ

「千年のかくれんぼ」は、三好市の山奥、大歩危・祖谷(おおぼけ・いや)地区の秘境感を盛り上げるブランド・キャッチフレーズとして作られたコピー。この山中には、大昔から平家の伝説や妖怪の伝承もあり、それらの言い伝えにぴったりはまるキャッチフレーズだ。

深い森の中を縫うような移動を楽しめるユニークな乗り物がある。小欄2016年8月3日記事を参照されたい。