北朝鮮の航空ショー今年は中止へ

北朝鮮元山(ウォンサン)で9月に開かれる予定の航空ショーが、今年は中止となりそうだ。この航空ショーは当サイトでも、昨年5月15日付け記事で紹介しているが、軍用機にしても民間機にしても、今はほとんど見られなくなった旧ソビエト製のレトロ飛行機の勢ぞろいで、動く航空博物館として世界の航空マニアから注目を浴びていた。

    youtubeより

渡航禁止や燃料不足か

正式には“元山国際親善航空フェスティバル”で、公式サイトはまだ来月23,24両日の開催を告げている。

http://www.wonsanairfestival.com/ja/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/ (公式サイト)

しかし消息筋によると、関係先には中止を告げるメールが送られてきているとのこと。相次ぐミサイルの発射や、新たな核実験をほのめかす北朝鮮は、国際社会からの孤立を深めていて、アメリカ政府は9月1日から米人の渡航禁止を決めている。このため禁止が解除となる可能性があっても、航空ショーには参加し難い。皮肉なことに、CNNによると、渡航禁止の前の駆け込みで、北朝鮮ツアーへの参加者が増えているとか。この他、石油の禁輸で、航空燃料が枯渇し、飛ばすことが出来なくなっている。との見方もある。

ガラパゴスの北朝鮮でしかできない特徴あるイベントとして定着しつつあったレトロ航空ショーだが、イベントで得た外貨が、新たな兵器へ変わる様を考えると、国の体制が変わらない限り、来年以降も開催は厳しいのではないか。

平壌駅

チュチェ・トラベル

北朝鮮へのツアーは、ロンドンにベースを置くJuche Travelが得意としていて、レトロ航空機の旅や鉄道での旅を提供している。筆者も1995年にロシア国境から平壌まで鉄道(寝台車)の旅をしたが、スタートからおよそ1時間、北朝鮮や当時の金正日書記を称える歌を大音量で流し続けるのには閉口した。