取り戻そう、お江戸日本橋
|東京きっての名所でありながら、上をまたがる首都高速道路に遮られ、空も仰げないばかりか、名橋と気付かず通り過ぎる人も多い東京中央区の「日本橋」。国土交通省は、高架道路なっている首都高速道路を地下化して、日本橋の景観を取り戻す計画を明らかにした。
オリンピックの突貫工事が生んだ今の景観
日本橋が架かる日本橋川の上を走る首都高速は、オリンピックの前年1963年に竣工している。幾度となく「自然な景観を取り戻すべき」との論争があったが、国土交通省の報道資料にも、景観を二の次にしたのは竣工が急がれたためと、突貫計画が原因と匂わせている。更に道路の老朽化が進み、大規模改修の必要性も指摘されていただけに、景観のみならず地下化は自然な流れであったのかもしれない。
地下化となる区間は、都心環状線の江戸橋JCTから竹橋JCTの間およそ2.9㎞で、2020年のオリンピック後の着手となり工事期間は10年以上となる見込みだ。
雑学ライブラリー
五街道の起点、日本橋
「お江戸日本橋七つ立ち・・」日本橋を暁の七つ(午前4時頃)に出立して、東海道を西に向かう旅に出る。日本の唱歌に謳われた日本橋は、五街道の東海道(~大阪:高麗橋)、中山道(~京都:三条大橋)、甲州街道(~下諏訪)、日光街道(~日光)、奥州街道(~白河)の起点が日本橋だ。橋の中央部には今も道路元票(かつて義務付けられていた道路の起点を示す標識)が埋め込まれている。
現在の橋は1911年(明治44年)に架けられたもので、銘板の「日本橋」の字は15代将軍徳川慶喜の揮毫。現在日本橋が起点となっているのは、国道1号(~大阪)、4号(~青森)、6号(~仙台)、14号(~千葉)、15号(~横浜)、17号(~新潟)20号(~長野県塩尻)の7本の国道。
日本で最も名のある橋と言える“日本橋”、やはり日の目を見せてやりたい。