北方領土、何が決まる日露の共同経済活動
|北方領土での日ロ共同開発へ向けての共同現地調査が始まった。27日根室港を出発した一行は、今日からロシア側と本格的な調査に入る。
観光資源豊富な島々
日本側の調査団は、国や北海道の担当者などの他、観光、医療、漁業などの企業や団体の関係者ら合わせて69人だ。一行は国後島のほか、択捉島、色丹島を訪問し、地元の水産加工工場やエネルギー施設、ホテルなどの視察を行う。
観光面で見ると、千島火山帯の上に載っている北方領土だけに温泉はあちらこちらに沸いていて、河原を掘るとお湯が出て来るところもある。これらが手付かずの自然の中に点在していて、観光資源が豊富と言える。ただロシアは様々な事業を具体化させるにあたって、ロシア側の法律やルールの適用を求めてくるとみられ、日本側が想定する「特別な制度」に理解を得られるかが焦点となりそうだ。一行は7月1日に根室へ戻る。
雑学ライブラリー
領土問題を裁く国際司法裁判所とは
領土問題など国家間のもめごとを審議、解決する国連の機関として登場する「国際司法裁判所(ICJ)」。ICJが関わるためには、双方の国の同意が必要となるため、北方領土が俎上に上ったことは無いが、ICJとは一体何か?
1945年に設けられ、翌1946年にオランダのハーグに本部を構え活動を開始した。第一次世界大戦後に作られた国際連盟の(常設)国際司法裁判所を引き継いで設けられた。あくまで国と国の係争を国際法に則って解決する裁判所で、いくらISが“イスラム国”と称しても、国ではないため、国際司法裁判所への提訴事項にはならない。ちなみに人道に反した犯罪、戦争犯罪、集団殺害や侵略等に関わった個人を訴追、裁くための国際刑事裁判所(ICC)もあり、こちらもハーグに置かれている。
ICJは国連の安全保障理事会で選出された15名の裁判官で構成される。もちろん裁判官はそれぞれの国を代表しているわけではなく、あくまで個人の資格だ。