あの使いっきりカメラが人気を呼んでいる

「写ルンです」の商品名で大ヒットした“レンズ付きフィルム”が、インスタントカメラの“チェキ”同様に人気を呼んでいる。家電、カメラの量販店やコンビニなどでも売れ行きは伸びている。

かつては自販機でも売られていた

「写ルンです」細工無しのアナログ感が人気

写真は「カメラではなくスマホで撮るもの」と言ったこの時代に「写ルンです」人気。“レンズ付きフィルム”は1986年に富士フィルムが発売した。写真はカメラで撮る時代、カメラを忘れて旅行に出てもコンビニで手に入る。焦点やシャッタースピード、絞りなどは固定で、とにかくシャッターを切るだけで写るため大ヒット、フィルムメーカーだけでなく大手スーパーのダイエーやジャスコまでもが自社ブランドで参入した。デジタルカメラに押されてほとんどのメーカーは撤退したが、写ルンですだけが生き残った。

27枚撮りで600円前後と手軽だ。また、撮った写真をいかようにも味付けできるスマホやデジカメとは違って、カメラ店に出したプリントが戻ってくるまでは、どのように撮影できているか分からないアナログ感も魅力のようだ。更にプリントだけでなくCDに焼くことも出来るため、ブログなどへ簡単に投稿できる点も人気を呼んでいる。

使い捨てカメラと呼ばれることもあるが、カメラごと現像、プリントに出すため、ボディーなどほとんどのパーツは再生され、新品に生まれ変わって店頭に並ぶ。このため富士フィルムでは使い捨てカメラとは呼んでいない。

雑学ライブラリー

完全消滅したAPSカメラ

コンパクトカメラの世界標準にすべく1996年に発売されたAPS(アドバンス・フォト・システム)カメラ。フィルムがカートリッジに入っていて、簡単装填が可能なうえ、途中でいったんフィルムを外すことも出来る次世代型カメラとして一時シェアを伸ばした。しかし、現像後もカートリッジに入ったままでネガが直接見られないため保存の使い勝手が悪く、その数年後に出てきたデジタルカメラに一気に駆逐されてしまった。通常のカメラやフィルムは、今も市場に残っているが、APSはカメラ、フィルムとも全てのメーカーが撤退、事実上この世界から消えてしまった。