中東混乱、どうなるカタール航空
|サウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)、バーレーンそれにエジプトの中東4か国は5日、カタールと国交を断絶すると宣言した。CNNによるとさらにイエメンとインド洋の島国モルジブも同調してカタールとの断絶を発表した。日本から遠い中東の事とはいえ、国交断絶とは穏やかではない。一体何が!?
トランプの中東訪問が作り出した緊張?
サウジアラビア、UAE、バーレーンに囲まれる半島国家カタール、日本人にとっては地理的以上に遠い国にも感じられるが、首都のドーハ、それにIS(イスラミック・ステート)などテロや人質に関するニュースなどで頻繁に登場する中東のテレビ局“アルジャジーラ”のある国、というと多少身近に思われるかもしれない。
カタールはハマスやエジプトのイスラム原理主義集団ムスリム同胞団を支持している上、シリアの過激派組織との繋がりがあるとの情報もあって、周辺各国との軋轢が増していた。またサウジと犬猿の仲であるイラン寄りの姿勢も、周辺国の不興を買っている。それにしても経済や文化でつながり深い、地域内での突然の断交はかなりの衝撃だ。その背景についてだが、先般、中東を訪問したトランプ大統領は、サウジアラビアとの協調関係を大いに喧伝した。サウジはこれを一つのプレゼンスと受け取り、カタールに強い姿勢で臨んだ。との見方も広がっている。
雑学ライブラリー
出口なしなのか空の交通
サウジアラビア、バーレーン、UAEは、カタール航空機の自国領空通過も禁じた。この3国に囲まれているカタールは残る出口は海、ペルシャ湾しかない。断絶を発表した4国との空路は直ちに運航が停止されたが、羽田や関西からのドーハ便は現在のところ平常に運行されている。カタール航空は、日本からドーハ乗り換えでのヨーロッパ便をPRしており、価格の安さもあって人気のルートになっている。同じく、UAEのエミレーツ航空などもカタール航空同様、打撃は少なくないだろう。中東の突然の緊張は、空路に限らない。カタールは日本にとってLNGの主要調達国であり、断絶の長期化や、さらに緊張が高まる事態となれば、エネルギー調達に影響が出ることも考えられる。