子どもを守る足利ペタンコ祭り

栃木県の足利富士浅間神社に伝わる「ペタンコ祭り」今年も浅間神社の山開き6月1日に行われ、子供を連れた沢山の参拝客で賑わった。

額に御朱印、赤ちゃんの健康を祝う

ペタンコ祭りは、この一年に誕生した赤ちゃんの額に、御朱印を押してもらい、子供がすくすくと育つよう祝う祭りで、ぺたんと御朱印を押してもらうことから「ペタンコ祭り」と名付けられた。足利観光協会のサイトによると、祭りは400年ほども前から続いていて、むかし足利地方を襲った洪水や疫病、飢饉で沢山の子供たちが犠牲になったが、神社がまつられている山から竜神が立ち昇り子供たちが救われた。との伝説に基づいている。

足利市

御朱印は男女で異なっていて、それぞれで額に御朱印をいただき、男の子は高い山(標高100m余り)に祀られている男浅間へ、女の子は低い方の女浅間へとお参りする。病気などでお参りに来られない子供には、肌着に御朱印を押してもらえる。

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落語に登場する御印文とは

 

三遊亭円生の落語「死神」に御印文(ごいんもん)が出て来る。御朱印と同じく、額に朱色の印を押してもらう。こちらは大人向けで、御印文をもらうとこの世での罪は消滅、極楽浄土行が保証される天国へのパスポートのようなものだ。まさに長野善光寺さんで行われる御印文頂戴だ。

落語の中で3人の男たちが御印文をもらいに参詣に行く。ところがこのうちの1人は「極楽浄土などは行きたくないから」と御印文を受けずに済ます。帰りに立ち寄った茶店で3人のうちの1人が、茶店のおばあさんに向って「有難いお坊さんは、御印文を受けた人と受けない人を見分けるってねえ」と語りかける。「いいえ、お坊様でなくとも、私でもわかります」とおばあさん。男は早速「この中で1人だけ、強情を張って御印文を受けなかったのがいるが、おばあさん分かるかい?」と尋ねる。おばあさんはたちどころに御印文を受けなかった男を当ててしまう。「へえ、たいしたものだ。なぜわかるんだい」「(御印文を受けなかった)その方が、一番利口そうだから」という落ちが付く。

まあ御印文のスタンプだけで罪が消えるというのは虫が良すぎるが、ただ神社やお寺に行くと何故か清々しい気持ちになる。浅間神社の御朱印も子供に健やかに育ってほしいとの親の気持ちの表れ。やはりそれも清々しい。