レストランの完全禁煙は営業にプラス

客離れを懸念して完全禁煙に踏み切れない飲食店は多いが、分煙と完全禁煙では、禁煙の方がかえって営業にプラスになったとの研究が示された。

受動喫煙対策後進国の日本(WHO)

世界禁煙デーの5月31日、東京ではタバコフリーサミットなど禁煙を呼び掛ける催しが行われた。統計では日本での喫煙者は26%、国民の4分の3は非喫煙者だ。それにも関わらず、飲食店などが完全禁煙に踏み切れない理由として、かつて厚生労働省が行った調査では、喫煙率が高い世代ほど、外食にお金を落とす傾向が強い事、グループで訪れる際、喫煙者が一人でもいると、気遣って喫煙席を選ぶケースが強い事などが上げられた。さらにお店側も、足が遠のくことを恐れて、完全禁煙にはなかなか踏み切れない事情も見えた。

厚生労働省の研究チームによると、完全禁煙に踏み切ったレストランと分煙レストランでは売り上げにほとんど差がないばかりか、完全禁煙の方が多い傾向にあった。ロイヤルホストのように、既に完全禁煙に取り組んでいるレストランは徐々に広がっている。

雑学ライブラリー

タバコとコロンブス

タバコは南北アメリカ大陸が発祥だ。マヤ文明が残した遺跡にはタバコをくゆらす神が描かれている。アメリカの原住民インディアンにとってタバコは、神聖なものであり、闘いの後の和睦などにも使われ、互いにタバコをくゆらせて平和を図ったという。

コロンブスがヨーロッパにタバコを伝えたのは有名な話だ。1492年10月、一行は西インド諸島に到達し、新大陸の存在をヨーロッパ世界に伝えた。コロンブスらは原住民に鏡などを贈り、そのお返しと友好の証としてタバコや果物などが贈られた。タバコは神聖なものだったが、徐々に嗜好品として広がり、ヨーロッパに拡大した。(参考:タバコと塩の博物館他)