007ユーモアあふれたJBが天国へ

ジェームズ・ボンドを12年間に渡って演じ、日本でも多くのファンがいたサー・ロジャー・ムーアが23日スイスで亡くなった。家族のTwitterによると、ガンと闘っていたとのこと、89歳だった。

イギリス紳士を絵にかいたような007

JBはショーン・コネリーのイメージが強いが、ロジャー・ムーア氏もジョーン・コネリー氏も出演は7作品で、キャリアは一緒だ。ボンド役はこれまで6人が演じているが、ロジャー・ムーア氏が最も遅い46歳で最初の作品「死ぬのは奴らだ」を主演、58歳「美しき獲物たち」で、007をリタイアした。イアン・フレミングの設定では、JBは海軍士官で第二次世界大戦に従軍しているので、年齢設定としてはロジャー・ムーア氏がぴったりだった。

ロジャー・ムーア氏演じるJBは、ユーモアやウイットに富んだスパイで、粋なセリフやシュチュエーションが満載だった。

ムーア版007の第一作、ボンドの登場はこうだった。ボンドがガールフレンドとベッドにいる未明、MとMの秘書マニーペニーが突然指令を伝えに現れる。ガールフレンドは慌ててクローゼットに隠れる。帰り際、マニーペニーはMのコートを取ろうとクローゼットを開ける。彼女は何事もなかったようにクローゼットを閉めて、「人が変わってもやることは一緒、今夜はイタリア系のガールフレンドなのね」と言わんばかりに「チャオ」と別れの挨拶をする。アクションや戦闘シーンが売り物だが、ロジャー・ムーア氏のボンドはこの手のやり取りが多く、何か安心してみていられる007だった。

雑学ライブラリー

テレビでも活躍、ダンディ2

「ダンディ2華麗な冒険」(原題 Persuadersを覚えている人は少ないだろう。24本シリーズ(日本では放送されなかった作品もあるようだ)で、ロジャー・ムーア氏が英国貴族、トニー・カーチス氏がアメリカのたたき上げの大富豪。2人が事件を解決するテレビシリーズだった。この2人のやり取り、それもオリジナル脚本無視の暴走吹き替え(ロジャー・ムーア=佐々木功、トニー・カーチス=広川太一郎)が人気だった。今夜はロジャー・ムーア氏の活躍をDVDで探してみよう。ジェームズ・ボンドよ安らかに・・。