インバウンド、日本のここが不満
|日本を訪れた外国人旅行者はどんなところに不便を感じ、不満を持っているのだろう。観光庁が中国、台湾、香港、韓国、アメリカの5つのエリアでSNSへの投稿を分析した。好意的な投稿が多くを占めるが、不満が見られたのは交通と日本人のウィークポイントともいえる、コミュニケーションだった。
電車、タクシーが高すぎる
公共交通では約77万件もの投稿のうち、3.7%に当たるおよそ3万件が不満の表明で、その半数が交通費だった。「日本の交通費がこんなに高いとは思わなかった」「タクシーが2㎞で1000円は高い」といった声が聞かれた。ニューヨークやロンドンなどと比較すると、日本の都市交通がとりわけ高いとは思えないが、鉄道で比較すると、世界の都市は大体目的地まで一つの運営会社で行くことが出来るが、東京や大阪などは、JRや私鉄を乗り換えるたびに、それぞれに運賃がかかってしまうのでどうしても高くなってしまう。SNSでは、周遊パスやICカードで節約を勧める情報などインバウンド同士の自衛情報も流れている。
外国の都市ではロンドン市ダウニング街10番地(イギリス首相官邸の住所)のように住所は通りの名前で示すところが多いため、こんな投稿も「通りではなく地域に名前がついているシステムを知らないと(日本では)目的地は探せない」
コミュニケーションや多言語標記の少なさを指摘する声も多かったが、料理のメニューに、写真が付いているレストランが多いので助かったとの声も聞かれた。あとはWi-Fiスポットの少なさやレンタカーを借りる際の複雑さ、高速道路料金の高さ(アメリカ、中国などほとんどの国では無料)もやり玉に挙がった。
各国鉄道の案内は?
海外の鉄道、特に欧米の鉄道は日本のような丁寧なアナウンスは、もともとなかった。それでも最近はヨーロッパでも自動放送でいくつかの言語、特に英語は必須でアナウンスが入るようになった。と言っても国際列車などが主流で、地下鉄や通勤電車はどうかというとそれほどでもない。10年以上も前、韓国で乗った特急、それもメジャーではないローカル線だったが、案内アナウンスは韓国語に続いて英語、中国語、日本語と4か国語で流れ驚いた。