全員男性CAで”こいのぼりフライト”
|日本航空は5月5日、運航乗務員はもちろん8名の客室乗務員も全員男性の“こいのぼりフライト”を運航した。オール男性フライトは2009年にスタートして今年で9回目だ。
男性CAは普段何処に
クルー全員が男性のフライトは羽田発旭川行きのJAL553便と、帰りの羽田行き554便。日本航空の男性客室乗務員は、海外ベースの乗務員を入れおよそ6000名の中のわずかに70人ほど、海外のキャリアや日本でも後発エアライン各社では男性CAは珍しくないが、JAL、ANAでは、ワシントン条約の保護対象となるくらい少なく、国内線に乗ることは稀だ。今回のこいのぼりフライトもシンガポールなど、海外ベースから応援の男性CAが駆けつけた。
CA(キャビンアテンダント)は、性別による差に関わらない呼称ではあるが、昔はスチュワーデス(女性)、スチュワード(男性)とそれぞれに呼称があった。
海外キャリアではCAよりもフライト・アテンダントやキャビン・クルーの呼称が普通。国内線でも操縦室からCAへの業務連絡は「キャビン・クルー~」と呼び掛けていることに気付かれるだろう。
客室乗務員が初めて登場したのは1930年ボーイング航空、現在のユナイテッド航空で、女性看護師をスチュワーデスとして乗せている。ちなみにスチュワーデスの語源は“豚小屋の管理人”だ。日本航空は3月3日には“ひな祭り”フライトも行っていて、こちらは機長から整備スタッフも全員女性だ。
忘れられないフライト
かつて日本航空の国内線も、大型機の場合は男性パーサーが乗っていた。40年以上も前の経験。台風並みの低気圧が襲った4月末の札幌線、着陸の寸前まで、あまりの揺れに客室は静まりかえり、聞こえるのは何人かの子供の泣き声だけというフライトに遭遇した。その時、男性のパーサーは着陸の寸前まで、機内放送で飛行機の話題など、乗客に語り掛けた。誰かの落ち着いた声を聴いていると不安な気持ちは落ち着くもので、大揺れの中の客室内の空気はアナウンスを聞いてすっかり変わった。男性だからというものではなく、女性のパーサーでも同様の機転を利かせる客室乗務員は沢山いるだろう。どのキャリアでもCAのプロ意識の高さには感心する。余談だが大揺れに遭遇した飛行機は機体番号JA8119。あの御巣鷹のジャンボだった。