半島緊張の中、それでも外貨獲得作戦
|朝鮮半島情勢はXデーが心配された朝鮮人民軍85周年となる4月25日、何事もなく一日を終えたが、依然として緊張状態は続いている。
カール・ビンソン日本海へ
アメリカ太平洋艦隊のサイトなどによると、空母カール・ビンソンはフィリピン海での海上自衛隊との共同訓練を終え北上している。近く日本海へ入り、韓国海軍との合同演習を実施する方向だ。この他原子力潜水艦ミシガンが、釜山港へ入港している。これに対して北朝鮮は東部の元山(ウォンサン)で、これまで最大規模となる砲撃訓練を実施、視察した金正恩党委員長は訓練に満足したと兵士を励ましている。テレビニュースでは依然として「アメリカを無慈悲にせん滅する」など、国家の発表とは思えない北朝鮮独特の挑発的な言葉が並ぶ。これに対して中国外交部は「半島情勢をあおるような言動は控えよ」と北朝鮮に対して警告を発している。
外貨獲得のマラソン大会
この情勢の中4月9日、平壌で万景台記念国際マラソン大会が開かれた。制裁にも拘らず外国からの選手も交え1000人以上が参加した。日本からも6人が参加したようだが、昨年の22人からは大幅に減っている。
市民マラソンだが、参加するには10キロコースの7000円から、フルマラソンの14000円まで、参加費用かかり、観戦するのも4000円余りが必要だ。これも外貨獲得の奇策だろう。平壌観光などもついて、外貨獲得には欠かせないツアーのようだ。
国ぐるみ!?ブラック企業化
ロシア極東では建設現場や農場への北朝鮮から労働者の派遣は古くからおこなわれており、ロシアだけで一時は数千人の北朝鮮労働者がいたと言われている。
20年以上前に、極東ロシア奥地の林業伐採地へ取材に入ったが、労働者は24時間、北朝鮮当局(国家安全保衛部と呼ばれるセクションか)の私服監視員に見張られていた。現地のロシア人によると、労働者に支払われた賃金のほとんどは国に吸い上げられていたと聞く。国自体がブラック企業と化しているのか。