ビールのお供が大ピンチ

おやつやビールのお供の定番、ポットチップスが原料のジャガイモの不作からピンチに陥っている。大手のカルビーや湖池屋は、一部製品の生産を終了したり休止したりして凌ぐ方針だ。

ポテチ・ロスが始まるのか?

 

カルビーによると生産終了するのは“厚切りホットチリ味”や”フレンチサラダ“など18商品(全国と地域商品)、休止は15商品にも及ぶ。終了は4月15日、お気に入りの味はまだ棚に並んでいるうちに確保しておく必要があるかも。原因はジャガイモの主産地北海道が、昨年の台風で大きな被害を受け、生産量が落ち込んだためだ。5月には九州産のジャガイモが出回るが各メーカーとも休止商品については、なるべく早く生産を再開したいとしている。

イカ漁が不漁 イメージ

イカも不漁で燻製が高騰か

 

ポテトチップス同様、ビールのお供に欠かせないイカの燻製が、原料不足で品薄となり、今後価格に影響しそうだ。イカの街、北海道の函館では加工会社の経営が行き詰るなど深刻な状態となっている。

長年、イカの水揚げ全国一の青森県、八戸では、2009年におよそ81,000トンあった水揚げが、2015年には26,500トン余りと、70%近くも落ち込んでいる。漁業情報サービスセンターによると2016年はさらに深刻で、1月~11月のスルメイカの水揚げは前年に比べ生鮮で49%、冷凍で17%と急激な落ち込みとなっている。価格も高騰しており、主要産地の11月平均単価が805円と昨年の2倍以上となっている。燻製やイカの塩辛などの加工品も、品薄と価格の上昇は避けられない状況だ。

ジャガイモ畑

雑学ライブラリー

ポテチ用ジャガイモは八百屋さんのものとは違う

 

ジャガイモは、料理に使われる生食用、加工用、デンプン原料用の3種に分けられる。それぞれに品種が異なる。形が崩れたり、ハネ物とされた生食用がポテチに変わるのではなく、ポテチ用に育てられた加工品が使われる。生産者によると、料理用の品種は糖度が高く、でんぷん質は少ないほうが良いが、スナック菓子に加工するものは逆で、糖度が低くてでんぷん質が多くなければいけないのだ。つまり生食用のジャガイモはかえってポテチには不向きなのだ。