人間の脳を鍛えたのは果物か?

人間が大きくて強力な脳を持ったのは果物を食べたおかげだ。との論文がアメリカの科学雑誌“ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション”の電子版に発表された。

“ストレスが脳を鍛えてきた”は誤りか?

ニューヨーク大学のアレックス・デカーシェン氏らによると、人以外の140種の霊長類について脳のサイズと社会性の尺度、すなわち集団の大きさ、グループの掟などの社会システム、それにペアリング行動などを調査し、これらと相対するものとして主食となる餌の関係をデータ化した。その結果、脳の大きさと社会性の尺度には何らの関係性も認められなかった。それよりも食事との関係性がはるかに大きく、果実を食べる霊長類の脳の組織が、草などを主食とする動物と比較して、脳のサイズは25%も大きいとの結果が出た。

これまでは、「集団の社会システムが複雑化することで、脳の発達が促されてきた」とされてきたが、デカーシェン氏はこの説に疑問を投げかけている。

果物が脳の進化に影響を与えてきた理由は明らかにされていないが「果物は栄養価が高いうえ、果実を得られる植物や場所の特定、さらに中身を食べるために手や道具を使うなど、高度な知恵が必要だった」と脳の発達と果物の関連性を示唆している。

参考:ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション

 

使える奴は、AI?

人間の脳の重さは体重のおよそ2%に過ぎないが、25%ものエネルギーを使う。

一方、人工知能AIは刻々と人間の脳に置き換わろうとしているようだ。

倉庫に様々な品物が積まれていて、出荷の際はAIを組み込んだロボットが自分で動いて、指定された商品を取り出してくる。そのロボットは、日常の作業で、出荷の多い商品と少ない商品を自分で覚えこむ。そして倉庫が閉まったあと、出荷の多い商品が奥にあった場合、それをより近いところに、売れない商品は奥の方へと入れ替え作業を黙々とこなすのだそうだ。気の利かない人間よりAIなのか?将棋やチェスなど勝負の世界では既に人を上回る勝率。果物が育て上げたのかもしれない大きな脳を退化させてはいけない。