宇宙葬 カーク船長の作者も

「死んだらお星様になる」絵本などで語られたセリフが現実となっている。遺骨をロケットやバルーンに乗せ宇宙空間や成層圏にまで送り、散骨をする宇宙葬がじわり話題を呼んでいる。

亡くなった人の魂はこのような光景を見ている?

月面供養のプランも登場

ロケット打ち上げによる宇宙葬を手掛けているのは、アメリカ、テキサス州のヒューストンに本社を置くセレスティス社(日本では株式会社・銀河ステージと提携)とカリフォルニアに本社を置くエリジウム社(東京に事業所あり)で、どちらも少量の遺骨をカプセルに詰めロケットで打ち上げる。カプセルは地球の周回軌道に乗った後、大気圏に再突入し燃え尽きる。スペースデブリ(宇宙ゴミ)となる心配はなさそうだ。

バルーンによる宇宙葬は、栃木県の株式会社バルーン工房が行なっているもので、バルーンに遺骨を入れたカプセルを付けリリース、高度30㎞以上にまで上がったバルーンが膨張し一瞬のうちに散骨されるというものだ。

いずれも20万円から50万円の費用がかかるが、アメリカの2社は遺灰を月面へ送り届ける月面供養も提示していて、こちらは120万円からと高額だ。

宇宙ヨット(ソーラーセイル)の模型

ソーラーセイル宇宙船で太陽系外の計画も

宇宙葬の始まりは意外に古く、セレスティス社のサイトによると、1995年にあのスタートレックの原作者ジーン・ロッデンベリーの遺骨を乗せた宇宙葬が行なわれている。

太陽から発せられるイオンなどを利用して、帆船のように広げたソーラーセイルで推進する宇宙ヨット。SFの中での話とされていたが、日本が打ち上げた実験機IKAROS(イカロス)が2010年に世界で初めてソーラーセイルで航行した。

2001年宇宙の旅の作者アーサーCクラークの小説を元にサンジャマー計画と呼ばれ、クラークの遺骨もソーラーセイル宇宙船に乗せられ遠く太陽系外に旅立つ予定だったが、NASAは今のところこの計画をキャンセルしている。