電気機関車売ります

サイト上に驚きの広告を発見。「ED40-3欲しいかた売ります」価格は応相談。広告主は静岡県のローカル鉄道、岳南(がくなん)電車。

富士の麓を走る岳南電車

重さは40トン、カートに入れるのは無理

売り出された電気機関車は1965年に長野の松本電鉄でデビューした機関車で、1971年(昭和46年)から岳南電車で活躍してきた。沿線の製紙工場の貨物輸送を担ってきたが、貨物輸送の廃止に伴い2年前の3月に廃車となっていた。整備状態は良好だが、架線からの電気で走るED40は、蒸気機関車のように一人で走ることは出来ないので動態保存は難しい。テーマパークや博物館、レストランなど、お店のキャラクターモニュメントなどに需要はありそうだ。格安で買うことが出来ても、移動費用は買主負担で、重さは40トンもある。実車は岳南富士岡駅に展示中。

岳南電車ホームページ参照 http://www.fujikyu.co.jp/gakunan/home.html

夜になると電車は工場夜景を縫うように走る

夜景電車

岳南電車は東海道線と吉原駅で接続する、わずか9㎞あまり、全線乗って21分の鉄道だ。地方のローカル鉄道へ行くと、首都圏や関西圏の大手私鉄で走っていた懐かしい車両に出会うことが良くあるが、岳南電車も同じで、元京王電鉄の車両や渋谷駅前に展示されている元東急の5000系、俗称アオガエルなども現役活躍中で、筆者としては行ってみたい鉄道ナンバーワンだ。

“夜景電車”。電車の車内灯を消して沿線の夜景を楽しむ、ユニークなイベント。周囲の工場夜景はもちろん、電車そのもののや、ほのぼのとした灯りの駅舎の夜景にも目を向けこれらを“鉄道夜景”という新しいジャンルに仕立て上げてイベントを行っている。

ジャトコ前

不思議な駅名のジャトコ前。ジャトコは車のオートマチックトランスミッションのメーカーで世界でもトップクラスの技術を持った大手企業だ。もともと日産の工場で、1929年(昭和4年)に出来た専用線とこの駅が岳南鉄道の母体となった。

企業名が入っている駅名は結構珍しい。三越前(東京メトロ・銀座線)、富士フィルム前(伊豆箱根・大雄山線)、新日鉄前(名鉄・常滑線)企業名は新日鉄住金になったが、駅名は依然として新日鉄前。サッポロビール庭園(JR北海道・千歳線)、三菱自工前(水島臨海鉄道)、インテック前(富山ライトレール)など。