北朝鮮大使を国外退去に

クアラルンプールの空港で、金正男氏が暗殺された事件を巡って、マレーシア当局を糾弾するコメントを発表していた北朝鮮のカン・チョル駐マレーシア大使が、6日クアラルンプールの空港から飛び立った。マレーシア政府は、カン・チョル大使を「好ましからざる人物」として国外退去処分を下していたが、カン大使は退去処分のリミットぎりぎりのタイミングでマレーシアを離れた。

イメージ クアラルンプール空港

ペルソナ・ノン・グラータ(Persona non Grata)

 

一般に「好ましからざる人物」と訳されるラテン語だ。外交官や外交使節は、派遣する側の任命はもちろん、接受国(せつじゅこく)つまり受け入れ側からも認めてもらう必要がある。受け入れ国は、ペルソナ・ノン・グラータとして受け入れを拒否することが出来るが、拒否の理由を明らかにする必要はない。今回カン大使はマレーシアの示した期限ギリギリで退去したが、これを無視して居座ると、外交特権は無くなり、何らかの法に触れる行為があった際は逮捕されるなど一般人同様、身柄の拘束が行なわれる。

PNGの理由は明らかにされないが、スパイ行為や密輸などが推測される。定かではないが、品性下劣な外交使節もPNGの可能委性はある。もちろん相手が国家元首、たとえがアメリカ大統領でも同じだろう。

杉原千畝(すぎはらちうね)もペルソナ・ノン・グラータだった

杉原千畝

ユダヤ人が迫害を受けた第二次世界大戦下のヨーロッパで、人道上の見地から日本本国からの訓令を無視して、ユダヤ人へ日本の通過ビザを発行し、5000人以上のユダヤ人を救った「東洋のシンドラー」杉原千畝、彼も当時のソビエトからペルソナ・ノン・グラータを宣言されていた。反革命的なロシア人との交流が理由だったとされている。もっともソビエトに拒否され、そのために赴任したリトアニアで、彼はビザを発行しユダヤ人を助けることになる。