消える”撮り鉄”のサンクチュアリ

JR北海道は3月で10か所の駅を廃止する。札幌近郊でも千歳線の美々(びび)駅が廃止となる。この駅、実は鉄道ファンにはなじみの駅で、ブログには廃止を惜しむ声が溢れている。

美々駅に到着する電車

ICカードが使える駅としては初めての廃止

なんとも美しい駅名の美々。新千歳空港への分岐駅、南千歳駅の次の駅だ。駅はホームが3面で、跨線橋も備わった設備は充実の無人駅だが、周囲は木々に囲まれ、夏は緑の中で、冬は真っ白の雪の中で列車を撮影することが出来る。しかもホームは自由に入ることが出来るので、撮り鉄にとっては安全な場所からベストショットが狙えた。しかし駅の周囲は、牧場などが多く、利用者はほとんどいないのが現状だ。それでも駅に備え付けのノートには鉄道ファンだけでなく、この駅に降り立った人の感想などが書かれている。中には電車を乗り間違えて、新千歳空港駅に行くはずだった慌て者の途方に暮れた書き込みもあった。

ICカードの簡易改札機(美々駅)

札幌近郊区間の駅のため、Kitaca(JR北海道のICカード)やSuicaなどの交通系カードの簡易改札機が備わっているが、ICカードが使える駅の廃止は美々が全国で初めてだ。

撮り鉄だけでなく,撮り空ファンも嘆き

 

美々駅から近い滑走路脇はこのような写真が撮れる

この美々駅を降りて30分ほど歩くと新千歳空港の滑走路に近い、撮り空にはお馴染みの撮影ポイントに行き着く。雪のない季節には、車などの足を持たない高校生と思しきファンが、大きなカメラを抱えて美々から歩く姿も見られた。これまた歎きのブログが見られる。都市近郊区間で、駅周辺は何か新しい発展も考えられそうなだけに、ファンならずとも残念な美々駅の廃止だ。