冬の観光列車が一斉スタート

冬真っ盛りの北海道、湿原や流氷観光を楽しむSLなどのイベント列車が29日スタート、初日から賑わった。

インバウンドツーリストも満足

車窓からは湿原のこのような光景も(イメージ)

運行が始まったのは、釧路と網走を結ぶ釧網線(せんもうせん)の「SL冬の湿原号」と「流氷物語号」の2本だ。

SL冬の湿原号は釧路~標茶(しべちゃ)の間を蒸気機関車に牽かれたレトロな客車でおよそ一時間半の旅だ。2月26日までの週末(木~日)を中心に走るが、全車座席指定なので事前の予約が必要。

車内にはネーチャーガイドがいて、冬の湿原やタンチョウの解説もしてくれる他、昔懐かしいダルマストーブもあって、車内で売っているスルメを炙って食べることも出来る。

海外からのツーリストにも知られている列車で初日から賑わったが、2月の運行は一部の日を除いてまだ予約は可能だ。(予約は全国のみどりの窓口で)

もう1本の流氷物語号は、釧網線のオホーツク海に沿った網走~知床斜里の間を、来月28日まで一日2往復する。こちらは予約なしで乗車可能。

雑学ライブラリー

SL(蒸気機関車)はこうして走る

蒸気機関車は石炭を焚いて水を沸かし、発生した蒸気でピストンを動かして走る。コントローラーを回せば走り出し、一定の力を出す電車やディーゼル車と違って、石炭のくべ方や蒸気の調節などで力の出具合が変わるデリケートな乗り物だ。

運転には機関士(運転担当)と機関助手の2名で当たる。機関助手は石炭をくべる役だ。石炭を火室と呼ばれる窯の中へ入れる際も、効率よく燃焼させるために、一度の投炭毎に投げ入れる位置が決まっていて、火室にまんべんなく石炭が行きわたるよう注意する必要がある。どのSLも同様か分からないが、投げ入れるのではなく,火室の床に石炭をたたきつけるようスコップを返しながら入れると聞いた。冬の湿原号では釧路と標茶の往復でおよそ1.5トンもの石炭を燃やす。