やってきました冬の使者

今週は北海道の寒い話題が連続するが、冬の使者・流氷がやってきた。今シーズンは、到来の仕方がいつもと違う。稚内地方気象台は25日、陸地から流氷を見ることが出来る「流氷初日」を観測したと発表した。流氷と言えばオホーツク海だ。オホーツク沿岸ではなく、オホーツク海と日本海を分ける、北海道最北の稚内で流氷初日が観測されるのは統計を取り始めてから初とのこと。

流氷は風任せ

流氷原を進む観光船

流氷は遠くロシアのアムール川河口で生まれ、風に乗って南下してくる。稚内での流氷初日は、平年より19日早い。稚内への流氷到来はここ数年少なくなってきて、昨年はわずかに一日、その前年はゼロだった。

流氷の動きは風任せで、北からの風が強ければ海を埋め尽くし、岸にも接岸、流氷の上を歩けるほどにもなる。歩いていると流氷がその下の波に揺られて、ギシギシと音を立てる。そのように風任せなので、今日見えていたのに明日には全く見えなくなってしまう。

雑学ライブラリー

流氷観光まっしぐら

こちらはガリンコ号、船首のドリルで氷を砕く

網走ではシーズン中、流氷観光船「オーロラ号」が2隻、網走港から流氷減へ出て、1時間ほどのクルーズを楽しむことが出来る。砕氷能力を持った船なので、氷の上に乗り上げ、自重で割りながら進む。氷原にはオオワシやアザラシなどがいて、流氷原ゆえの観光を楽しむことが出来る。

紋別ではさらにダイナミックな流氷砕氷船がいる。ガリンコ号と名付けられた船は、前方に巨大なスクリューをもち、がりがりと氷に乗り上げ、船の重さで砕いて進む。三井造船がアラスカの油田開発のために作った特殊な船を観光船に仕立て変えたのがガリンコ号だ。サンダーバードさながらに、がりがりと氷を割って進む様はダイナミックだ。