列車事故頻発のインド

インドで大きな列車事故が頻発している。インド南東部のアンドラプラデシュ州で寝台急行列車が脱線、36人が死亡、50人以上が重軽傷を負っている。

なんと年間2万人以上が犠牲に

列車事故頻発のインド(今回の事故映像ではない)

昨年11月には北部のウッタルプラデッシュ州で、特急列車が脱線、90人が死亡するなど大事故が続いている。2014年には列車事故で2万7千人が犠牲になっている。施設や車両の老朽化が原因と思われる事故が多く、この特急の事故も線路が破損していたとの報道がなされている。

インドの鉄道はイギリス領時代から発展しており、最初の鉄道がボンベイ(今のムンバイ)とターネーの間に開通したのは1853年、日本(1872年)より19年も早いアジア最初の鉄道だった。レールの幅は1676㎜と日本の新幹線より広く、本来なら安定した走行が約束される。

日本の鉄道も新幹線などは、レールがコンクリートに直接固定されている区間が多いが、これまではレールの下には敷き詰められた砂利だ。実はこの砂利がクッションの役目を果たしていて、乗り心地の改善や安全性に繋がっていた。バラストと呼ばれる砂利の保守を怠ると列車の揺れが大きくなったりして、脱線に繋がったりする。これらの事故はどのような原因かその後の報道は無いが、施設や車両のメンテナンスが大きく関わっているようだ。

雑学ライブラリー

日本の新幹線が活躍する日

ムンバイの駅

インドは総延長6万2千㎞の鉄道大国だ。インドでは国内航空路線もLCCも参入し、急速にネットワークを充実させているが、今も旅は鉄道が主流だ。

インドは既存鉄道の高速化と、新たな高速鉄道網を作ることを決め、2015年最初のムンバイ~アフマダーバード(英語読みアーメダバード)間およそ500㎞を、日本の新幹線方式で建設することで合意した。新幹線は雪との闘いには十分な実績を積んでいるが、アーメダバードは最高気温が48度にもなる土地だ。レールの膨張や電子機器の耐久性など、これまでにない苦労が出てこよう。それでも、これを皮切りにインドの他の区間でも日本の新幹線技術をぜひ活かしてもらいたい。