爆買い納まるも、インバウンド消費は過去最高

観光庁がまとめた2016年の訪日外国人、消費動向調査によると全体額はおよそ3兆7500億円で、前の年を7.8%上回った。

中国旅行者の消費は大幅ダウン

国や地域別に見ると、中国人旅行者の消費額が、1兆4754億円と、2位の台湾の5245億円を大きく引き離してダントツ、全体のおよそ40%を占める。ちなみに3位は韓国(3578億円)、4位は香港(2947億円)と近隣のアジア諸国がいかにお得意様か分かる。5位にようやくアメリカ(2130億円)が入って来るが構成比は6%に満たない。

ただ国別で旅行者一人当たりの旅行支出をみると、トップはオーストラリアからの観光客で24万7千円と、中国の23万2千円を上回る。中国からの旅行者の消費額は昨年より18.4%も下がっていて、家電製品や高級宝飾品を次々と買い求めた“爆買い”の沈静化が数字に表れている。オーストラリアからの旅行者は、北海道ニセコのスキーリゾートなどでの長期滞在が支出を押し上げているのではないか。

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一体何を買っていた?

中国からの旅行者にとって、ドラッグストアでの買い物は、依然として重要なツアーの一環だが、一昨年のような大量買いはあまり見られなくなっている。熱さまシートやフルグラなど、口コミによる情報収集で、商品を指定して買い求めていた。このほか温水便座なども以前ほどは出ていないようだ。通販などの充実で、わざわざ手荷物として持ち帰る必要が無くなっている点もあろう。