サンゴの死滅深刻

環境省は、石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖(せきせいしょうこ)」のサンゴの70%が死滅したと発表した。

サンゴの白化が進む

同エリアでの調査は、今年の7月から3度にわたって行われてきた。それによると、全体が死亡したサンゴの群体は1回目の調査では5.4%、9月から10月に行われた2回目では56.7%に広がり、それが今回は70.1%にまで拡大してしまった。

サンゴはカラフルな色をまとった動物(植物ではない)で、海中で二酸化炭素を取り込み、酸素を排出している。サンゴの海は栄養豊富で様々な魚が集まって来る。しかし環境の悪化で海水の汚染が進んだり、水温の変化で、サンゴが白くなる白化が起きてしまう。白化を起こしたサンゴは呼吸ができない状態で、多くはそのまま死滅へと向かう。今回の調査で、一部でも白化を起こしている群体は91.4%にもなり、このうち2.9%が死滅直前の状態で、全体が白化を起こしていた。サンゴの死滅は沖縄近海に限らず、オーストラリアのグレートバリアーリーフなどでも見られており、海の砂漠化へ歯止めをかける方策が求められている。

 

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宝石サンゴ

地中海諸国ではサンゴは宝石として珍重され、5000年も前から出回っていた。日本へもシルクロードを伝って持ち込まれ、江戸時代には大名や富裕な商人などへも渡っていた。その後明治に入り、日本の近海でもサンゴの捕獲が始まり、

高知や鹿児島などで明治34年(1901年)には16トンものサンゴが採られている。しかし世界の海でサンゴの減少が問題となっており、保護されるべき動物となっている。