コンクリートの大敵、ひび割れを見逃さない

橋やトンネルなどインフラ整備に欠かせないコンクリート、その劣化が大きな社会問題になっているが、劣化原因の大敵の一つが表面の細かいひび割れだ。

そのひび割れの拡大をしっかり監視できるシステムが登場した。

ICタグでクラック監視

コンクリート構造物はインフラ整備には欠かせない

コンクリートにとって厄介なのは微細なクラックで、これが発展すると表面のコンクリートが剥落するなどの事故に繋がる。このようなひび割れは、スキルを持った技術者が目視で監視をしてきた。

今回大日本印刷が開発したシステムは、シート状のICタグを、今後拡大しそうなクラックに貼り付け、ひびの幅の広がりを監視し、剥落を未然に防ごうというものだ。クラックが広がって来るとICタグの回路が切れて、ひびの拡大が分かるようになる。しかも検知は専用の読み取り機器をかざすだけだ。

トンネルはもちろんだが、橋梁では裏側のコンクリートの健全性を監視するため、特殊なクレーン車やドローンなども使われているが、このシートを一度貼り付けておくと、橋の上からのリモート監視も可能ではないか。

(参考:大日本印刷HP)

雑学ライブラリー

厄介な微細クラック

0.5ミリ幅の微細クラック

ヘアークラックと呼ばれる微細なひび割れは、コンクリートにとって実に厄介なものらしい。構造を危うくするものではないらしいが、時が経つと太いクラックへ広がってしまう恐れがある。目立つほどのひび割れなら補修用の素材で埋めることが出来るが、0.2㎜以下の微細ひび割れは埋めるための充填補修材は使えない。

良くしたもので、塗るだけで微細クラックをゲルで埋める素材が出ている。塗るだけでコンクリートに塗布すると、中へ浸透して行って、細かいクラックなどをゲルで埋める。ケイ酸塩系含浸材と呼ばれる素材で、こちらもインフラ構造物の劣化を予防している。