今年の漢字は「金」

その年の世相を反映する漢字を選ぶ、今年の漢字に「金」が選ばれた。この字が選ばれるのは今回で3度目だ。

オリンピックイヤーは「金」

「今年の漢字」は、日本漢字能力検定協会が1995年から行っているもので、選ばれた漢字は、例年漢字の日の12月12日に京都清水寺で、森清範貫主(かんす)の手によって揮毫(きごう)される。

ウエブサイトなどを通して選ばれた今年の漢字は「金」。リオデジャネイロ・オリンピックで日本は金メダル12個を含む、過去最高の41個のメダルを獲得、さらにピコ太郎の衣装やトランプタワーの金ぴかぶりが注目を浴びた。

次点以下は、選、変、震、驚、災など、不安定な世の中を表すものが多い中で、「金」は良い選択ではないか。実は「金」が選ばれるのは22回のなかで2000年、2012年に続いて3度目だ。この両年は、やはりシドニー五輪とロンドン五輪があって、メダルラッシュが選ばれた理由だ。果たして4年後の今年の漢字は?東京でも良い成績を残し、清水寺で「金」の一文字がかかれる様を見たいものだ。ちなみに同じ漢字文化を持つ中国と台湾でも、2006年と2008年から、その年の漢字が発表されている。(参考:日本漢字能力検定協会サイト)

 

雑学ライブラリー

金さんと言えば北町奉行

時代劇ファンにはたまらない金さんのお裁き

時代劇はテレビからすっかり遠ざかってしまったが、北町奉行、遠山金四郎景元(1793~1855)、通称遠山の金さんは時代劇ファンと50代以上の人にはお馴染みだ。金さんは、奉行所のトップでありながら、遊び人(定職を持たずぶらぶらしている)に扮して潜入捜査、最後はお白洲(裁きの場)で奉行として登場、町人言葉の“べらんめい”でシラを切る悪人に有無を言わせぬ裁きを下す。大体は「市中引き回しの上磔獄門」

テレビ朝日系で長いこと続いたシリーズでは、すべて北町奉行となっているが、別の番組では南町奉行となっているものもある。それも通りで、遠山の金さんは北町と南町、両方の奉行を務めた唯一の人だ。

北町奉行所は今の東京駅八重洲北口付近。南町奉行所は有楽町駅付近にあって、それぞれ月番で治安維持にあたっていた。それぞれの場所には奉行所跡を示すモニュメントがある。