高齢ドライバーの事故が止まらない
|高齢ドライバーの事故が後を絶たない。建物に突っ込む、子供たちの列に飛び込む。アクセルとブレーキの踏み間違いで、車が自分の思っていたのと違う動きをすることで,特に高齢になるとパニックを起こしてしまう。
日本は既に4人に1人が65歳以上の高齢社会を迎えていて、今後ますます高齢ドライバーが増えてゆく。どのようにして高齢者にライセンスを手放してもらえるか。これからの大きな課題となりそうだ。
免許返納に様々な特典
公共交通機関の乏しい地方では、高齢者にとって、運転免許証を手放すことは買い物,通院などの足が奪われ、死活問題との声も上がる。宮崎県の西米良(にしめら)村は、今年の4月に運転免許証を自主返納した65歳以上の村民に14万4千円分のタクシーチケットを贈る制度を整えた。同じような取り組みをしている自治体もあるが、10万円を超える補助は西米良村が初めてだ。
運転免許を自主返納すると、免許証と同様に身分証明として使える運転経歴証明書を発行してもらえる。手数料千円を取られるが、意外な特典があって驚かされる。特典は地域によって異なるが、バス運賃の割引、デパートの自宅への配送無料(三越伊勢丹、高島屋など)や買い物優待券(京急百貨店)、旅行商品の割引、その他ホテルやレストランでも割引価格を用意している所も多い。ただ地方によって特典の充実ぶりに格差もあるようだ。運転経歴証明書の発行手数料の無料化と、公共交通の運賃優遇や民間の割引充実も、今後の免許証自主返納の成果の一つの決め手となりそうだ。
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免許更新フリーの国も
運転に年齢制限を加えている国はほとんどないが、中国は70歳を超えると運転できない。在中国日本大使館のサイトによるとライセンスを取得出来るのも18歳から60歳までで、60歳を超えると毎年の身体検査が義務付けられる。
更新の無い国もあって、フランスやロシアなどは一度手にすると一生免許のようだ。イギリスなど更新が必要でも70歳までは10年に一度、しかもネットで可能だ。これらの国でも、高齢ドライバーによる事故は問題化しつつあり、一定の年齢から更新時期を短くしたり、病歴の申告が義務付けられるなどしている。