老眼は人間だけじゃない

コンピューターやスマホで常に目を酷使している現代人。それ故に老眼が早く進むとも思われていたが、どうやら老眼は人間だけのものではないことが分かった。これは京都大学霊長類研究所のチームが突き止め、アメリカの科学雑誌カレント・バイオロジーの電子版に発表したものだ。

 

チンパンジーにも老眼鏡!

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チンパンジー属のボノボも老眼に

チームが注目したのはチンパンジー属の類人猿ボノボ。推定年齢11歳から45歳までのボノボ14頭を調査したところ、老眼が進行した人間が新聞を離して読むように、ボノボも40歳を過ぎたころから、仲間の毛繕いをする際に手元を離して見るようになった。このため研究チームでは、老眼は字を読んだり、映像を見たり、目を酷使する人間特有のものではなく、霊長類共通の老化過程の一つと結論付けた。

 

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老眼鏡はいつから?

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眼鏡の歴史はアラブ世界から始まった。老眼鏡の原理をヨーロッパに伝えたのもアラブの学者イブン・アルサイハム(965年頃~1039年)と言われている。近視の少なかったヨーロッパでは、メガネと言えば老眼鏡を指していた。

日本へは、ポルトガルの宣教師フランシスコ・ザビエルが1594年眼鏡を持ち込み、京都へ上がる際、山口で領主大内義隆に献上している。徳川家康もガラス製の眼鏡を愛用していて、現物が残されている。