定員オーバーで滑走路へ

全日空(ANA)のボーイング777が、定員をオーバーしたまま滑走路に向おうとして引き返し、国土交通省から厳重注意を受けた。

あり得ない出発

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福岡空港

ANAのホームページによると、トラブルがあったのは9月30日、福岡から羽田へ向かおうとした256便(ボーイング777-200)で、駐機場を出発した機内で、男性一人が、座席がないまま困っているのを客室乗務員が見つけたもの。この便は満席で、男性の座席はなく、男性を降ろすため飛行機は再び駐機場へ戻った。

ネットなどで予約するとQRコードなどのバーコードが乗客一人一人に付与される。男性は家族と2人でこの便へ乗ったが、それぞれに発行されたこのバーコードを、誤って2人とも同じバーコードを使ってしまった。改札機でエラーが出たが、保安検査場でも搭乗ゲートでも、機器のエラーとして扱い、男性の搭乗を認めてしまった。本来2人が乗るところを、機器的には1人しか乗せていないとカウントしたため、代わりに空席待ちの別の乗客が乗ってしまい、結果、一人分の座席が足りなくなった。

もちろん2度の改札で異常に気付くべきであったが、さらに今回は駐機場から機体が離れていて飛行機は出発状態にあった。CA客室乗務員はドアがクローズされた段階で立っている乗客に気付くべきで、きちんとした機内監視がなされていなかった点も問題だろう。

クローズアップ雑学

飛行機に立ち席は?

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広告であふれるライアンエアの機内(シートポケットやテーブルを廃しているので、背もたれには、安全の説明が書かれている) 

ありえないが、立ち席に似通った座席が考案されたことがある。中国のLCC春秋航空とアイルランドのLCCライアンエアで検討された。東京メトロの駅などで見かける寄りかかりようのバーが独立して、それにベルトが付いたようなスタイルだったが、実現はしていない。

ライアンエアは驚くほどの格安運賃が売りで、ヨーロッパ内、数百円といったチケットも多数ある。しかし立ち席を考案したり、CEOがトイレの有料化に言及したこともある。有料化はさすがに冗談だと打ち消したが、冗談に思えないのがこのライアンエアだ。