おしゃべりは当たり前、進化する自販機
|自販機の進化が止まらない。しゃべる自販機は珍しくも無くなっているが、最近は方言で話すものもある。その他、スマホと連動で様々な言語で詳細な商品情報を説明するインバウンド対応型も登場している。
外国人も安心、商品を多言語で説明
日本を訪れた外国人が驚くのは、ずらりと並んだ自販機。それも飲み物だけでなく、うどんやそばの調理をしてくれるものや、変わったものでは、雨傘やお花まで、様々な商品が自販機で売られていることだ。
あちらこちらで目にする自販機だが、コンビニなどのサービス拡大に押され、台数は減少している。日本自販機工業会によると、プリペイドカードなどの販売機も含めた自販機の数は全国で370万台と前年より1%減少している。
飲料製品の自販機などは、外国からのゲストも「買ってみたいが、中身が分からない」とためらいがちなのだ。ラベルで推測できるが、炭酸含有の有無や、人によってはアレルギー物質が気になって手を出さない人もいると聞く。
ポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)が始めたのは、スマホに専用のアプリを入れ、自販機に陳列されている商品をカメラで撮影すると、スマホの画面に、英語や中国語、韓国語など4つの言語で栄養成分、原材料、アレルギー物質などの商品情報が示されるというものだ。同社では7月から首都圏、大阪、名古屋それに札幌の自販機約300台に案内のステッカーを貼って、試験サービスを始めた。今後効果を検証しながらエリアを拡大していく方針だ。
ダイドードリンコ(株)のしゃべる自販機は、各地の方言の他、英語、ポルトガル語、中国語に対応している。
クローズアップ雑学
自販機は日本の文化?
外国人が最も驚くのは、自販機の数よりも機械が屋外に置かれていること。日本人にとっては当たり前の光景だが、外国では路上に置かれた自販機を見ることはまずない。
多種多様な自販機イコール日本。との構図が成り立ちつつあるが、飲料や食品の自販機の総数は日本がトップではなくて、日本の約264万台に対して、アメリカは約448万台、ヨーロッパは約380万台と日本を上回っている。しかしアメリカやヨーロッパ各国の自販機は、会社や工場内、さらにお店の中など限られた空間に置かれているのが普通だ。日本のようにオープンな空間に置かれていては、すぐに盗難にあってしまう心配がある。自販機は日本の安全の象徴でもあるのだ。屋外に設置されている自販機は日本独自の進化を遂げていて、震災などの災害時には無料で飲料を供給するステーションとなるし、AEDを備えている自販機も登場している。