台風が台所直撃?野菜の高騰懸念
|わずかの間に三つの台風に見舞われた北海道では、農業に大きな被害が出ている。北海道庁のまとめでは被害面積は1万ヘクタールを超え、特にオホーツク方面では、間もなく収穫を迎えるはずだった野菜などが全滅に近い状況となっている。北海道の農産品は首都圏のみならず、全国の食卓を支えているだけに、今後、野菜の高騰に繋がるのではと懸念が広がっている。
SOSタマネギ
中でもタマネギが大打撃を受けている。タマネギの主要産地は一位が北海道,二位が佐賀県だ。佐賀県ではタマネギの生育が遅くなる“べと病”が発生して、佐賀県などのホームページによると収量は大幅に減少している。
そこに生産量一位の北海道が台風被害で大打撃を受けた。タマネギはすでに市場での価格は上がっていて、家庭の食卓や外食産業へもかなりの影響が出そうだ。大田市場によるとタマネギの卸値は、例年8月から9月にかけ、値が下がっていくが、今年は二大産地が打撃を受けたことで今後の価格の行方が心配される。
クローズアップ雑学
タマネギ列車もストップ
例年オホーツクのタマネギを運ぶ臨時の貨物列車が、夏の間、北見と旭川の間を走る。「タマネギ列車」の通称で親しまれている。いつもはお盆過ぎからスタートするが今年は、佐賀産のタマネギの不作で、8月早々に走り始めたばかりだった。
今回の台風被害は農作物だけに限らない。このタマネギ列車が走る石北本線も線路が流され、不通となってしまった。復旧までには長期間かかると見られている。トラックによる代替輸送処置を取っているが、台風被害を免れた物や、春に収穫したタマネギなどの輸送にもかなりの影響がでそうだ。