多難なリオ五輪 あとひと月

南アメリカで初のリオデジャネイロ・オリンピックが、8月5日、開幕する。年間2千件以上の殺人事件が起こる現地の治安は、リオオリンピックの公式HPによると、オリンピック、パラリンピックの期間中、8万5千人の治安部隊を投入して安全を確保すると言う。しかしジカ熱など健康面のリスクは依然として残っている。

ゴルゴも恐れるジカ熱を呼ぶ蚊

リオデジャネイロゴルフの松山英樹選手が、ジカ熱などへの懸念から、リオデジャネイロ・オリンピック辞退を表明したことで、治安だけでなく衛生面への不安が大きく頭をもたげている。ブラジル政府はジカ熱を媒介する蚊は、6月以降大幅に駆除が進んだと発表しているが、こればかりは街中だけでなくホテルの中でも刺される可能性はゼロではない。8月はリオデジャネイロでは真冬だが、平均気温は25度を超えていて日本の夏とそう変わりはない。

ジカ熱に感染しても多くは発症しないで過ごしてしまうが、妊娠中の女性にとっては、小頭症の赤ちゃんが生まれるリスクがある。

ゴルゴ13が、手に力が入らなくなりしびれが広がって、武器を持てなくなる症状に見舞われることがある。ゴルゴの弱点、ギランバレー症候群と言われているが、東京都感染症情報センターによると、ジカウィルスはギランバレー症候群の原因となるらしい。さらにCNNによるとリオの海から、抗生物質に恐ろしく強いスーパー耐性菌が検出されている。ヨット競技は大丈夫か?

オリンピック、パラリンピックのアスリートたちはもちろん、観戦に訪れる多くの人にとって、安心、安全なオリンピックであることを祈る。

 

ZATSUGAKU POINT

リオはポルトガルの首都だった?

Palacio Pedro Ernesto

人口およそ650万人、南米屈指の大都市で、世界遺産の観光都市でもあるリオデジャネイロは、ヨーロッパ、ポルトガルの首都だった。嘘のような話だが、事実だ。リオデジャネイロは16世紀初頭、ポルトガル人が開いた。

19世紀イベリア半島全体が戦火に見舞われたスペイン独立戦争で、ナポレオン軍に襲われたポルトガルの王宮はリスボンから、植民地であったリオデジャネイロに逃れ、1809年ここをポルトガル、ブラジル連合王国の首都とした。首都は1821年にリスボンに戻るまで続き、ブラジルは翌1822年にポルトガルから独立している。