多国籍版ストレス・チェックで安全運航
|国が義務付けた、職場でのストレス・チェックは、気が付かないまま過ごしがちな職場でのストレスを自覚して、働く環境を良くしようとするものだ。これが航空会社、ましてや操縦室の中での人間関係のストレスとなると、安全運航にも関わって来る。
株式会社USENのプレスレリースによると同社は、これまでなかったストレス・チェックの英語版サービスを開始し、その採用第一号としてLCCのピーチアビエーションが導入した。外国人クルーの多いLCCでは、機長と副操縦士が日本人と外国人のチームと言うケースも少なくない。それだけにパイロット一人一人の心の健康はもちろん、コックピットでのストレス・マネージメントは一層重要だ。ピーチの安全への積極的な取り組みが見て取れる。
ZATSUGAKU POINT
コックピットとは
コックピットとはその名の通り「鶏小屋」だ。その狭い中に2人ないしは3人で、長距離便なら半日余りを一緒にいることになる。人間関係の好き嫌いも表に出てきそうだ。
機長の操作や判断の誤りを、副操縦士が指摘できずに事故になったケースもある。1977年、日本航空の貨物機がアラスカのアンカレッジを離陸直後に墜落した。NTSB(アメリカ運輸安全委員会)は報告書で、死亡した機長はかなりのアルコールを飲んでいたにも関わらす、他のクルーはこれを止めなかった、として、事故原因の一つと結論付けた。この事故を契機に、コックピット・マネージメント、操縦室内の人間関係の円滑さや、上下関係に囚われない率直な進言の重要さが指摘された。