一千万円でロケット発射ボタンを

「宇宙開発のスポンサーになりませんか」と呼び掛けるのは北海道大樹町(たいきちょう)のロケット開発会社 ISTインターステラ テクノロジズ(稲川貴大社長)。同社はあの堀江貴文氏がスポンサーとなって創業したもので、この夏に打ち上げるロケット「モモ」の開発費用を、クラウドファウンディングで調達する。

「みんなの力で宇宙にロケットを飛ばそう」をキャッチフレーズに2700万円を集める。参加は3000円から1千万円まで様々で、1千万円を出したスポンサーには、発射ボタンを押す権利が与えられる。

「モモ」は全長8.5m、直径50cm、打ち上げ時の重量900㎏と小型だが、日本で初めての純民間型商業ロケットだ。サウンディングロケットと呼ばれ、大気圏外へ出た後、地上に落下してくるが、その間に観測をおこなったり、無重力化での実験を行ったりするのが目的だ。もちろん近い将来は衛星を軌道に乗せる打ち上げを目指す。

本格的な実績作りはこれからだが、IST今後打ち上げの受託など、日本の宇宙ビジネスの一翼を担うものと期待されていて、大手商社の丸紅も業務提携を結んでいる。

ISTももガイド(ISTのプレスレリースより)

 

ZATSUGAKU POINT

大樹町と宇宙

大樹町サイン

帯広に近い十勝地方の大樹町は、「宇宙」と言う言葉があふれている。これは、かつて北海道庁が、日本の航空宇宙産業基地構想を描き、起伏のない広い土地が確保できる大樹町に宇宙シャトルの帰還基地を計画したことによる。町はその後も「宇宙の町づくり」を目指していて、航空・宇宙関連の実験施設や企業が集まって来る。

町のシンボルサインは宇宙シャトル。町内には宇宙実験の様子を展示している宇宙交流センターがあり、町のHPには日本宇宙少年団、大樹支部の活動報告やペットボトルロケット・コンテストの話題が躍る。さらに町民が毎日の買い物をするショッピングセンターの名称も「コスモール」だ。

大樹町のHPからもリンクされている「大樹航空宇宙基地構想」のHPは大変充実している。