ベーシックインカムは世界を救うか?

ベーシックインカムは、最低限所得補償と呼ばれる社会保障制度の考えだ。この制度では、生まれたばかりの子供から老人まであまねく一定の金額が支給される。一見無茶な制度に見えるが、フィンランドやオランダなどでは取り組みが考えられていて、スイスでもこの制度の導入を巡って今月、国民投票が行われた。結局70%以上が反対して否決されたが、構想では毎月大人は2500スイスフラン(およそ30万円)子供は600フランあまりが支給される計画だった。

投票は市民団体が提唱し、国民投票にまでこぎつけたものだが、スイス政府などは、財源の確保や、黙っていても定期的にお金が入ってくることで、労働意欲の低下につながる、と反対していた。一方ベーシックインカムの賛成派は、年金などの社会保障はベーシックインカムに一元化されるため、国や自治体などから社会保障制度に関わる組織が不要となる。これらに掛けてきた費用がなくなるため、財源は確保できるとしている。

ZATSUGAKU POINT

物価の高いスイス、ビックマック指数でみると

スイス

社会保障が充実している国は、一様に物価が高いイメージがある。ビックマックがいくらで食べられるのかを国ごとに描き出す「ビックマック指数」で見ると、スイスは断トツの世界一。アメリカドルに換算すると、6.44USドルと世界でスイスだけ6ドルを超え、日本円で約710円(1ドル110円換算)。日本のほぼ倍だ。しかしスイスは人件費も高く、最低賃金は2000円近くにもなるため、インカムも多いと言える。因みに日本のビックマック指数は世界31位、最も低いのは南米ベネズエラの0.66USドルで、日本円換算で70円余りだ。

参考:スイス連邦政府HP, Economist The Big Mac index