レトロで外貨稼ぎか 北朝鮮で航空ショー
|北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の港湾都市、元山(ウォンサン)で、今年9月にエアショーが開かれる。元山国際親善航空祭と名付けられた航空ショーは英語版のHPが公開されていて、空軍機のアクロバット飛行や北朝鮮唯一の航空会社、高麗航空での遊覧飛行などを目玉に世界各地からのツアー客を募っている。
高麗航空はフリート(機材)が旧ソ連機で、ロシアの国内線でも乗ることのできなくなった筋金入りのレトロ飛行機が現役だ。世界の航空マニアの間では、生きた航空博物館として注目を浴びていて、高麗航空の旧ソ連機に乗りまくるツアーがひそかに人気を呼んでいる。
欧米メーカーの機材がなく、旧式の飛行機ばかりの航空事情を逆手に取ったツアーで、外貨稼ぎの一環との見方が主流だ。ツアーは北京発着で25万円前後、9月の航空ショーも同じような価格設定となっている。
空港などでの写真撮影も自由で、航空ファンをくすぐるサービスはしっかりしているようだ。
元山国際親善航空祭のホームページ
http://www.wonsanairfestival.com/
ZATSUGAKU POINT
絶滅危惧種の旧ソ連機
ツポレフTu-154やイリューシンIl-62などの旧ソ連機は、西側機のコピーのようにスタイルがよく似ていて、コンコルドに対抗して作られたTu-144はコンコルドスキーなどと呼ばれていたが、西側機と比べると燃費は大きく劣っていた。そのためロシア国内でもどんどん姿を消していて、アエロフロートはもちろん、そのほかのロシアのエアラインもボーイングやエアバスなどの機材が主流だ。ベトナムやキューバなどかつてのソビエトとの友好国においても旧ソ連機はもうほとんど見られない。大統領専用機は今も旧ソ連機の流れをくむイリューシンIl-96 を使っている。
一方最近のロシア航空機は、新たな設計で、電子機器やエンジンなども欧米メーカーとのマッチングもあって、性能や燃費も競争力は上がってきている。