ロンドン~香港空路80年 当時は10日の長旅
|英国航空はロンドンと香港を結ぶ路線が80周年を迎えたと発表した。最初のフライトは1936年3月14日にロンドンを出発、パリ、アテネ、バクダット、バンコクなど24都市を経由して地球を半周、現在はおよそ12時間で飛ぶロンドンと香港の間を10日間かけて結んだ。何しろ最初は飛行機の駅伝のようなもので、7機種の飛行機がいくつかの区間を担当して飛び、中には飛行艇、すなわち水上飛行機が結ぶ区間もあった。
乗客にとっても大変な修行であったろうが、果たしてどのような乗客が乗っていたのか、英国航空のプレスリリースは触れてはいない。当時のロンドン~香港の運賃は片道175ポンド、今の価値にするとおよそ11,000ポンド、円に換算するとおよそ180万円(4月13日£1-¥156)にもなる。ちなみに現在は、キャンペーン運賃で往復およそ78,000円だ。
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エアラインとホテル
1920~1940年代の航空会社創成期は、長距離路線はあちらこちらの空港に降りて、飛び石伝いの運航だった。大西洋横断や、アメリカからアジアなどへは、飛行艇が活躍する路線もあった。波の静かな湾などが空港で、周りには何もない辺鄙な土地もたくさんあった。また安全運航を見守る地上の施設も乏しいため、夜はフライトせず、宿で一泊が普通だった。
航空会社は、乗客や乗員の宿泊の便を図るため、宿を自前で用意した。世界のホテルチェーンはこれらエアラインの宿にルーツを持つところもある。世界にネットワークを広げるインターコンチネンタルホテルは、今はなきパンアメリカン航空が創り出したものだ。ヒルトンホテルは一時トランスワールド(現アメリカン航空)が持っていた。ちなみにマリオットホテルは世界で初めて機内食を提供したケータリング業者だった。