成田3タミ一年、羽田はアクセスでマイルも

成田空港のLCC専用第3ターミナル、陸上のフィールドトラックのような床が話題を呼んだオープンから、早くも一年が過ぎた。成田空港には内外のLCC14社が就航しているが、すべてのLCCが第3ターミナルに集約しているかと言うとそうでもない。例えばピーチ・エアラインはANAの国際線からの乗り継ぎ客の利便性を図ってのことと推測されるが、今も第1ターミナルに残っている。第3ターミナルに入っているのは国内3社、海外2社の5社に過ぎないが、早くも混雑がピークに達しようとしている。

成田国際空港会社では第3ターミナルの取り扱い能力を年間最大750万人としているが、最初の一年で600万人を超えてしまった。しかも早朝出発の旅客が深夜に着いてターミナルで夜明かしするケースも多いことから、他のターミナルとは異なり24時間混んでいる印象だ。

他のターミナルや空港駅からは徒歩で10分前後と遠いため、アクセスの改善を望む声も高い。成田国際空港会社は、早くも次の一手が望まれている。

成田ターミナル3

 

アクセスも競争、電車でマイル

成田空港は、都心とのアクセス運賃の高さが大きなネックだったが、京成電鉄、JRのアクセス鉄道を担う両社が、ともに系列のバスを使った1000円アクセス(事前決済で900円のバスもあり)を整え、すっかり定着してきた。

一方、羽田空港は東京モノレールと京浜急行電鉄がしのぎを削っているが、こちらはマイルサービスでの取り込みを図っている。東京モノレールはIC系交通カードをJALのマイレージナンバーとリンクさせることで乗車毎に20マイル(休日は30マイル)が加算される。

京急は地方空港に設置された券売機で品川までの切符を購入すると30マイル(往復は70マイル)貯まるキャンペーンを展開中だ。

羽田と成田の空港間競争も注目だ。国内最大の航空路線、札幌~東京間の輸送実績(H25年度)を見ると羽田線は年間900万人にもなるが伸びはそれほど大きくない。一方、成田線の実績は118万人だが、一年間に30万人ほども増加している。LCCによる国内路線の充実も急速に進んでいて、羽田空港のシェアを脅かしつつある。