ブレイク寸前、キューバ旅行
|(写真提供:トリップアドバイザー)
昨年7月に国交を回復したキューバとアメリカ、3月21日からのオバマ大統領のキューバ訪問で、歴史的な和解に拍車がかかった。経済交流の発展に期待がかかるが、中でも観光面では早速に動きが出ている。シェラトンやセントレジスなどのホテルを運営するスターウッドホテル&リゾートや、マリオットインターナショナルはハバナのクラシカルな名門ホテルと提携しこれらを高級なラグジェアリーホテルに仕立てる計画を進めている。
またアメリカン、デルタ、ユナイテッドの3メジャーエアラインは、それぞれキューバへの定期路線の枠を得るため獲得合戦を繰り広げている。キューバに近いマイアミはもとより、各エアラインのハブとなるニューヨークやアトランタ、ダラスなどからの路線開設を目指している。
日本からはこれまでカナダやメキシコなどを経由していたが、来年にはアメリカを経由してのキューバ旅行が可能となり、一層行きやすくなる。HISが発表した2016年注目の渡航先ランキングで、キューバは一位に輝いた。これまでの経済制裁で、まるで時が止まったかのようなカリブ海のバックトゥ・ザ・フューチャー・ツアーにブレイクの兆しが見える。
ZATSUGAKU POINT
キューバあれこれ
アメリカ大統領のキューバ訪問は88年ぶりだから、かつてクーリッジ大統領がハバナを訪れたのは1928年。日本とはその翌年1929年に国交樹立しているので意外にお付き合いは長い。決して豊かな国ではないが、教育と医療の水準はとても高い。義務教育はもとより大学も無料だ。抗がん剤などの開発で高い技術を持っているほか医療サービスの水準も高く、カリブ海の周辺国やアフリカ諸国へ医療支援を行っている。
世界のホテルチェーンの進出で、ハバナは高級ホテルが林立しそうだが、安く安全に泊まれる民泊の充実ぶりがすごい。世界の民泊ネットワーク、エアビーアンドビーで探すと、「カサ・バルティクラル」と呼ばれる民泊がたくさん出てくる。
あれだけ仲の悪かったアメリカとキューバだが、キューバ内にアメリカがある。
アメリカが1903年に永久租借地としたグアンタナモだ。米軍の基地となっていて、軍の刑務所などがありテロ犯が収容されていることでかつてニュースとなった。アメリカにとって話題にしたくない基地だ。デミ・ムーア、トム・クルーズ主演の映画「フュー・グッドメン」に出てくる。