「@」はどこへ行く
|多くの人が日ごろ、何通も送ったり受け取ったりしている電子メール。その考案者レイモンド・トムリンソン氏が3月5日、74歳で亡くなった。トムリンソン氏は1971年にメールアドレスに@マークを入れ、ユーザー名とドメイン名を分けることを思いつき、電子メールが今のように普及する仕組みを考案した。@マークは、まさに電子メールのシンボルとなった。
地球の裏側とさえ、瞬時にやり取りが出来る電子メールは、地球の形を変えたと言われるほどに世の中にインパクトを与えた。しかし現在、世界中を行きかう電子メールのその90%以上はスパムメール、つまり迷惑メールと言われている。
@マークに頼らないメールが増えている。急速に普及するLINEなどSNSによるコミュニケーションだ。メル友の@マーク離れが進んでいる。
タイタニックのSOS
離れた相手とのコミュニケーションの起源は、煙で情報を伝えた「のろし」や伝書鳩などが思い浮かぶ。いにしえのコミュニケーションの中身はほとんどが危急の知らせで、祝い事が通信文に載るようになったのはコミュニケーションの手段がある程度広がってからだろう。
知る人も少なくなったモールス信号、音声をトンとツーの二つの長さで送り、その組み合わせでアルファベットを表す。トントントンの短い三つがSを表し、ツーツーツーの長い音三つがOを表す。トントントン・ツーツーツー・トントントンで緊急遭難信号のSOSとなる。無線電信を発明したマルコーニ製の通信機を使っての初めてのSOSは大西洋で沈んだタイタニックが発信している。
タイタニックのSOSの通信音声を「電波博物館」のホームページで聞くことが出来る。