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バリ島の火山噴火で空港混乱

インドネシアのバリ島で今月21日に噴火したアグン山が25日から再度噴火し、地元の報道によると、噴煙がおよそ4000mに達しており、インドネシア当局はバリ島のデンパサール空港を一時閉鎖した。
バリ島のアグン山
噴火形態が変化、危険度増す

アグン山は9月中旬から火山性地震が頻発し、周辺の14万人が避難したが、爆発は水蒸気によるものとして、一時は警戒レベルを下げていた。しかし噴火の形態が水蒸気からマグマの噴出によるものへと変化が見られ、規模の大きな噴火になる可能性が出てきた。バリ島のデンパサール空港は、日本時間の昨夜まではオープンしていて、欠航便も出る中、運航している便もあった。しかし地元の報道では、より危険度が高まったとして、空港の28日までの閉鎖が決まった。デンパサールへは成田と関西空港から毎日のフライトがあるが、アグン山の危険が高まったことで、アジア有数のリゾート地、バリ島観光に大きな影響が出るものと心配される。

雑学ライブラリー
噴火と航空機

火山の爆発は飛行機の大敵

1982年インドネシアのジャワ島付近を飛んでいた英国航空のボーイング747ジャンボジェットが1万1千メートルの上空で、機体が閃光に包まれる現象に見舞われると同時に4基のエンジンすべてが停止するという信じられない事態が発生した。発光現象は、飛行機がチリや雨の中を飛んでいる際にそれらとの摩擦で起こるもので、「セントエルモの火」と呼ばれるが、実際に火が燃えているわけではない。この時ジャンボジェットは約12分間エンジンが停止したままグライダーのように滑空飛行を続け、およそ8千メートルもの高度を失ったものの、地上まで3千メートル付近でエンジンの再始動に成功、無事ジャカルタへ着陸することが出来た。
これと全く同じことが1988年、成田発アムステルダム行きのオランダ航空機で起きている。この時も約8分間、全エンジンを失ったまま飛行したもののやはりエンジンの再始動に成功しアンカレッジへ無事降りている。
どちらの緊急事態も近くの火山が噴火して噴き上がった火山灰が引き起こしたものだった。火山灰を含んだ噴煙は、大きな噴火だと航空機の飛行高度の1万メートル以上に達する。この2機の場合はいずれも夜間で、噴煙は見えなかった。しかも火山灰は雲とは密度が異なり、レーダーには殆ど映らないため、気付かないまま噴煙の中へと飛行してしまったのだ。
火山灰はご存じの通り、何かが燃えた灰とは違って実体は鉱物だ。火山灰は高温のジェットエンジンに吸い込まれ、ガラス質が溶けだしエンジンのタービンなどにへばり付き、エンジンを停めてしまう。エンジンの損傷だけでなく、どちらの事故機も外側はまるでサンドペーパーでこすったように傷だらけだった。細かいガラスでこすったのだから当然だが、操縦室の窓もまるですりガラスで、パイロットは殆ど外が見えないまま着陸させた。

airdream :テレビ報道に20年以上携わる。国内だけではなく、世界各地特にアジアやロシアで修羅場もくぐる。でも大好きなのは楽しいニュース。ほのぼのニュース。ためになるニュース。そんなページを目指します。

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