「いつもニコニコ現金払い」ひょっこりひょうたん島(井上ひさし原作)を観ていた世代の人は覚えておいでか。とんまな海賊トラひげが経営する“トラひげデパート”のキャッチフレーズだった。現実に手にするお金だけが、信用出来る時代は過去のものになっていくのか。
現金お断りのレストラン
ロイヤルホストを展開するロイヤルホールディングは、次世代型の店舗運営を開発していくモデル店舗を今月6日、東京中央区内に馬喰町店としてオープンすると発表した。この店の最大の特徴は「現金払いはお断り」だ。財布にお金がどれだけあってもこのお店では食事ができない、なんともショッキングなレストランだ。使えるのはクレジットカードやエディなどの電子マネー、さらに全国で使える主要な交通系ICカードも可能だ。
究極のキャッシュレスの目的は、スタッフのワークロードの軽減。マネージャーにとっては売り上げ管理の業務を大幅に軽減し、その分をスタッフのトレーニングなど企画業務に回すことが出来る。外食産業は人手の確保が大きな問題となっているだけに、現金のやり取りと言ったキーポイントの発想転換を図った新店舗に注目が集まっている。
雑学ライブラリー
FeliCa(フェリカ)
革新店舗では電子マネーで食事ができる。世界に先駆けて電子マネーサービスを始めた日本の主流となっている技術が、ソニーが開発したFeliCaだ。電子マネーだけではなく、自動改札システムや認証カードなど広く使われている非接触型ICカード。ICカードが身近になったのは自動改札システムだろう。改札機にかざすと、瞬時にこんなやり取りが行なわれる。まずはカードが正しいものかどうかをチェックし、カード内の残高を確認する。それらの情報を拾ったうえ、カードのICには、乗った駅名と日時を書きこむ。この一連のやり取りを、改札機とICカードの間で電波を使って0.1秒で処理する。さすが日本の技術。