中国と日本を結ぶ航空路線の休止や廃止が相次いでいる。中部国際空港では内モンゴルのフフホト(石家荘経由)、ハルビン、合肥などが8月で休止、札幌・新千歳空港では長沙線が9月で休止となる。
内陸部の都市とばかりが休止となっているのは?
良く見ると休止に追い込まれているのは、中国内陸部の都市を結ぶ航空路が中心で、上海や北京、広州など沿海部の都市との間の航空路は休止となる線は一つもない。中国からのインバウンドは一時の急増ぶりは影を潜め、前年を下回る状況となっているが、これは団体客の減少が影響している。団体客は影を潜め個人ツアーや、手配も自分で行う個人客が増えている。旅行ブームの初期段階にある内陸都市からのツアー客は、団体旅行のシェアが大きかった。一方沿海部の都市は出張需要も堅調なうえ、ツアーは個人旅行者に支えられている。このため内陸都市からの訪日旅行者が減少、路線の休止や廃止に追い込まれているのが真相だ。
雑学ライブラリー
国内線は需要旺盛 どこまでも巨大な中国の空港
航空需要が短期間のうちに急増した中国は、およそ200の空港があるが、主要都市の空港は比較的新しく、かつ巨大だ。中でも北京首都国際空港は3つあるターミナルが広すぎて、下手をすると搭乗までとんでもない距離を歩くことになる。
年間利用者数8371万人(2013年)で、シンガポールのチャンギ空港などともに、アジア最大級のハブ空港となっている。北京にはもう一か所1910年に中国で初の空港として開業した、軍民共用の北京南苑空港(国内線のみ)があるが、首都空港の混雑がピークに達しているため、さらに2019年の開業を目指して北京大興国際空港を建設中だ。こちらの空港は滑走路7本を持つアジアで最も巨大な空港となる見込みだが、ボーイングは、2030年頃には中国の航空旅客は現在の4倍になると推測しているだけに「空港はいくら大きくても構わない」と言えそうだ。