本州方面に比べ、夏休みの短い札幌では21日から小学校の2学期がスタートしたが、住宅街近くの公園にキタキツネの親子が出没するようになり、札幌市は、触ったり餌を与えたりしないよう呼び掛けている。
バンカーも注意が必要か
ロンドンでも、都会に暮らすキツネは1万頭にもなるようだが、196万都市札幌も、山沿いや森に隣接した住宅地では目にする機会は少なくない。清田区の三里塚公園には人に慣れたせいか、キタキツネのファミリーが、頻繁に現れるようになり、札幌市は注意を呼び掛けている。
キタキツネには本州ではあまり見られないエキノコックスという寄生虫を抱えていることがある。北海道民の多くはこの病気の恐ろしさを認識しているが、キツネが現れる公園には、小学校や幼稚園も近いことあり、特に子供たちへはキツネに餌を与えたりしないよう注意するとともに、外から帰ったら十分に手を洗うよう呼び掛けている。
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恐ろしいエキノコックス
エキノコックスは寄生虫で、キツネや野ネズミに寄生している。キツネに触れたり、砂場などでキツネのフンについている卵が人間の体内に入ったりすると、肝臓で幼虫となり、肝機能障害を起こす。幼虫の発育は大変遅く、症状が出るのに数年から十数年もかかることがある。かつてはいったん発症すると治療の手立てがなかったが、今は手術で治すことが出来る。
野生動物のキツネは保護の対象で、駆除は出来ない。このため札幌市ではホームページなどで、手洗いの徹底や、家庭菜園などでキツネを見かけた際は、収穫した野菜は十分に洗うとともに加熱調理するよう呼び掛けている。