防衛省によると、アメリカ海兵隊と陸上自衛隊の実動訓練(ノーザンヴァイパー)に、18日からアメリカ海兵隊のオスプレイが参加する。
オーストラリアでの墜落事故で、一時日本政府が飛行の自粛を要請していたが、北海道では札幌市や恵庭市などに広がる北海道大演習場、上富良野演習場などへの兵員輸送に当たる見込み。
オスプレイはミサゴ
正式にはV-22、オスプレイ(Osprey)とは、猛禽類のミサゴだ。主に魚を食べるが、獲物を見つけると空中でホバリング(停止)をするためにV-22にもこの名前が付いたのか。
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ヘリと固定翼機のハーフ
ヘリコプターは垂直に離発着が可能で、滑走路も必要ないが、速度が遅く、航続距離も短い欠点がある。一方、プロペラを90度動かすことの出来るオスプレイはヘリコプターと固定翼機、双方の長所を活かすことが出来る。
速度は時速300㎞ほどのヘリに比べ、固定翼モードでは時速500㎞以上の高速飛行が可能。更に航続距離もヘリより1000㎞以上も長い3500㎞あまりも飛ぶことが出来る。
通常の飛行機では機長は左側に座り、“レフトシート”とは機長席を指す。一方ヘリコプターでは機長は右席、オスプレイは何方か?ヘリと同じ右席だ。
ローターがひとつしかない普通のヘリコプターは、エンジンが停まったら直ちに飛べなくなる。どうするのか?オートローテーション(クラッチを外して竹とんぼの原理)で地上へ降りる。
オスプレイはヘリモードの時にエンジンが停まったらどうなるのか?一基のエンジンが停まっても2つのローターを結ぶシャフトがあって、生きている方のエンジン出力を上げての飛行が可能で、直ちに墜落には繋がらないようになっている。
実用化に入ってからの事故率は、他の米海兵隊のヘリコプターを下回っているが、開発段階では事故が多く“未亡人製造機”“空飛ぶ恥じ”と呼ばれたのは事実。安全性は確保出来ているとして、民間機として開発、販売する計画もある。