ヨーロッパ各国は、化石系燃料のガソリンやディーゼル車の駆逐に急速にかじを切った。ドイツは2030年、イギリスとフランスは2040年までに石油系燃料車の販売が出来なくなる。ノルウェーに至っては2025年をめどとする可能性が出ている。
石油はどうなる?
いかにEV(電気自動車)やHV(ハイブリッド)が増えても、石油は安定的な消費があると見込まれていた。しかしこの傾向はいち早く世界に広がりそうで、中国やアメリカも早晩、石油系燃料車両は禁止され走れなくなるだろう。
国土交通省のデータによると、世界中の4輪自動車の数は12億6100万台(2015年)これらが全てガソリンや軽油を
必要としなくなる時がやって来るのか。
石油から電気へのエネルギー革命が進むと、世界の経済地図も大幅に塗り替えられる。シェールオイルやメタンハイドレートなど鉱物エネルギーの探査は不要となり、産油国の地位低下が現実のものとなるのか。
雑学ライブラリー
飛行機はどうなる
ジェット旅客機の創成期、飛び立つ飛行機のエンジンは黒いスモークをひいていた。いまは大気汚染の元凶にもなるようなスモークエンジンは既になく、性能も上がって、以前のエンジンに比べると同じ量の燃料で出せる力は倍以上だ。
飛行機の脱石油系の主役は今のところバイオ燃料だ。2007年頃から航空用バイオ燃料による試験が行われ、ジャンボジェットを使っての長距離バイオフライトも成功している。
JALは都市ごみを原料としたバイオ燃料への取り組みを続けているほか、ANA
は藻から作り出すバイオ燃料の研究に参加している。NASAによるとバイオ燃料はCO2の排出量が石油系燃料の半分以下になるとのことで、空の燃料も脱石油系が進むようだ。